過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群とは消化器疾患の一つで、英語の略称「IBS」と言われる疾患です。何らかの理由で腸が正常に機能しなくなり、下痢や便秘症状等を引き起こします。原因ははっきりと分かっておりませんが、ストレスや緊張状態により発症することが多いとされています。
近年のストレス社会において、罹患者は増加傾向にあり、20代30代の若い方の発症も増えてきております。国内においては10人に1人の割合で発症しておりますので、誰にでも発症する可能性のある疾患です。
過敏性腸症候群の4つのタイプ
過敏性腸症候群には、便の形状と頻度から4つのタイプに分けることができます。
便秘型
女性が多くなりやすいタイプです。ウサギの糞のようにコロコロとした小さくて硬い便がでるのが特徴です。
下痢型
水のような下痢を発症するタイプで、主に男性に多いとされています。外出時にトイレに間に合わないほどの下痢症状でお困りの方は、お早めに一度受診していただくことをお勧めいたします。
混合型
便秘と下痢を繰り返すタイプで、下痢と便秘の症状が同じような頻度で起こります。
分類不能型
上記3つのタイプとは異なる症状が現れます。腹部膨満感やおならといった症状があります。
原因
過敏性腸症候群の発症原因ははっきりと解明されていませんが、腸の機能障害によるものと考えられております。機能を障害する原因としては、ストレス、自律神経の不調、食生活や腸内細菌叢の乱れなどが考えられます。
その他、診断可能な他の疾患がないか確認することも重要です。
検査方法
過敏性腸症候群の検査方法は次の通りです。
大腸カメラ検査
肛門からスコープを挿入し大腸内部を観察することができる検査です。腸内を直接観察することで、病変や疾患の有無を調べることができます。
便の細菌検査、潜血反応検査
治療方法
当院では過敏性腸症候群(IBS)の方に対しては、「生活習慣の改善」と「薬物療法」を行いながら、治療にあたっていきます。
生活習慣の改善
過敏性腸症候群は日頃の生活習慣を改善することで症状緩和を図っていくことが可能な疾患です。食生活や運動、ストレスを軽減する生活等、患者様のスタイルにあった治療方法を提案いたします。
薬物療法
患者様の症状に合わせてお薬を処方いたします
例えば、下痢型の患者様に対しては、整腸剤、消化管運動改善薬、止痢薬、高分子重合体、腸蠕動を抑制する抗コリン薬などから選択、便秘型の患者様であれば、緩下薬などを併用など、各個人にあわせて処方いたします。混合型やその他の型の場合も、適切なお薬を処方いたしますのでご安心ください。
患者様一人ひとりにあった治療方法を消化器専門医がご提案いたします。
治療・改善に向けて一緒に向き合って参ります。
著者
院長 水野 滋章
学歴・職歴
- 日本大学医学部卒業
- 日本大学医学部 第三内科(現消化器肝臓内科)
- 日本大学大学院医学研究科内科学卒業 医学博士
- 東京都保険医療公社 東部地域病院 内科医員
- アメリカ国立衛生研究所(NIH)/国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK) 研究員
- 春日部市立病院 内科医長・内視鏡室室長
- 日本大学医学部総合健診センター 内科医員
- 日本大学医学部附属板橋病院 消化器肝臓内科科長、内視鏡室室長
- 日本大学医学部 内科学講座消化器肝臓内科学分野 准教授
- 日本大学医学部兼任講師
- その他 非常勤:池上総合病院、聖路加国際病院予防医療センター、一部上場企業の健康管理センター、水野医院(武蔵村山市)、他
学会関連
- 日本内科学会 認定医
- 日本内科学会 指導医(大学退職まで)
- 日本消化器病学会 認定専門医
- 日本消化器病学会 指導医(大学退職まで)
- 日本消化器内視鏡学会 専門医
- 日本消化器内視鏡学会 指導医
- 日本消化器がん検診学会 認定専門医
- 日本消化管学会 胃腸科認定医
- 日本消化管学会 専門医
- 日本消化管学会 指導医
- 日本がん治療認定医
- 日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
- 日本カプセル内視鏡学会 専門医
- 日本カプセル内視鏡学会 指導医
- 日本医師会 認定産業医
- 東京都認知症かかりつけ医研修修了
- 日本消化器内視鏡学会 評議員、関東地方会評議員
- 日本消化器病学会 学術評議員、関東地方会評議員
- 日本消化管学会代議員、専門医制度審議委員会委員
大学勤務時代の
主な専門・研究分野
- 消化管および胆膵の内視鏡診断・治療
- 消化性潰瘍、消化管出血、薬剤性消化管傷害
- Helicobacter pylori菌感染症