食道がんとは
食道はのどと胃をつなぐ細長い臓器です。食道の壁は多層になっており、内側の粘膜表面の重層扁平上皮という組織から食道がんの多くは発生します。
食道がんは発見された時の状態により生存率が変わりますので、検査により早期発見を行うことが大事です。
食道がんの症状
食道がんは初期段階ですと自覚症状がないのがほとんどです。ただしある程度病状が進行してくると、次のような症状が出てきます。
- 胸の違和感
- 食べ物を飲み込む際のつかえ感
- 咳が出る
- 声がかすれる
- 体重減少
- 背中や胸の痛み
食道がんは進行するとリンパ節や他の臓器への転移の可能性も高くなります。
ご自身の体の異変に気づいたら、早めに医療機関を受診し、適切な検査・治療を受けるようにしましょう。
また、危険因子として下記が挙げられます。特に複数あてはまる方は定期的に胃カメラ検査を受けましょう。
- 喫煙
- 飲酒:特に飲酒で顔が赤くなったが飲んでいるうちになれた方
- 熱い飲み物をよく飲む
- 咽頭や喉頭など頭頸部がんの方
- 食道アカラシア
- バレット食道
- 50才以上
- 男性
- 血縁者に食道がん
食道がんの治療方法
内視鏡的治療
内視鏡でがんを内腔側から切除する(切り取る)方法です。内視鏡的治療はがんが初期段階の時に行える治療方法で、体への負担を少なく行うことができます。術後の食生活などにも影響が出にくい治療法です。
外科手術
内視鏡的治療では治癒が難しい場合に実施する方法で、がんを含む食道の一部や周辺の組織、また場合によっては食道全てを摘出する手術方法です。ある程度進行したがんの場合に用いる療法です。食道は胸の縦隔という心臓や肺のちかくにあるので、食道がんの外科手術は大きな手術に分類されます。
化学療法(抗がん剤)
手術前後の補助、切除困難な進行したがんの場合の治療方法です。放射線治療と組み合わせて行うこともあります。
放射線治療
進行がんで上記の治療方法と合わせて実施することの多い治療法です。
著者
院長 水野 滋章
学歴・職歴
- 日本大学医学部卒業
- 日本大学医学部 第三内科(現消化器肝臓内科)
- 日本大学大学院医学研究科内科学卒業 医学博士
- 東京都保険医療公社 東部地域病院 内科医員
- アメリカ国立衛生研究所(NIH)/国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK) 研究員
- 春日部市立病院 内科医長・内視鏡室室長
- 日本大学医学部総合健診センター 内科医員
- 日本大学医学部附属板橋病院 消化器肝臓内科科長、内視鏡室室長
- 日本大学医学部 内科学講座消化器肝臓内科学分野 准教授
- 日本大学医学部兼任講師
- その他 非常勤:池上総合病院、聖路加国際病院予防医療センター、一部上場企業の健康管理センター、水野医院(武蔵村山市)、他
学会関連
- 日本内科学会 認定医
- 日本内科学会 指導医(大学退職まで)
- 日本消化器病学会 認定専門医
- 日本消化器病学会 指導医(大学退職まで)
- 日本消化器内視鏡学会 専門医
- 日本消化器内視鏡学会 指導医
- 日本消化器がん検診学会 認定専門医
- 日本消化管学会 胃腸科認定医
- 日本消化管学会 専門医
- 日本消化管学会 指導医
- 日本がん治療認定医
- 日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
- 日本カプセル内視鏡学会 専門医
- 日本カプセル内視鏡学会 指導医
- 日本医師会 認定産業医
- 東京都認知症かかりつけ医研修修了
- 日本消化器内視鏡学会 評議員、関東地方会評議員
- 日本消化器病学会 学術評議員、関東地方会評議員
- 日本消化管学会代議員、専門医制度審議委員会委員
大学勤務時代の
主な専門・研究分野
- 消化管および胆膵の内視鏡診断・治療
- 消化性潰瘍、消化管出血、薬剤性消化管傷害
- Helicobacter pylori菌感染症